親が施設に入った後の実家はどうする?
「親が老人ホームに入ることになった。毎月の費用が年金だけでは足りない…」
このような状況になると、空き家になった実家の扱いはすぐに考えなければならない問題になります。
介護費用を捻出する方法として、多くの人が悩むのが次の二択です。
- 実家を売却してまとまった現金を得る
- 実家を賃貸に出して家賃収入を得る
それぞれの特徴を、経済面とリスクの観点から見ていきましょう。
売却:まとまった資金が必要な場合
施設によっては、数百万円〜数千万円の入居一時金が必要になることがあります。
この場合は、実家を売却して資金を用意する方法が現実的です。
メリット
- まとまった現金を確保できる
- 固定資産税や管理費などの負担がなくなる
- 将来の修繕リスクを抱えなくて済む
- 相続時の財産分けがしやすくなる
デメリット
- 実家がなくなるため精神的な整理が必要
- 急いで売ると安く売却してしまう可能性がある
賃貸:毎月の不足分を補いたい場合
入居一時金がなく、毎月の費用だけが不足している場合は賃貸という選択肢もあります。
例えば次のようなケースです。
- 施設費用:月20万円
- 年金:月15万円
- 不足額:月5万円
この場合、家賃収入で不足分を補うことができます。
メリット
- 家賃収入で施設費用の不足分を補える
- 実家の所有権を維持できる
- 将来戻れる可能性を残せる
デメリット
- リフォーム費用が必要(100万円〜300万円程度)
- 空室になれば収入はゼロ
- 設備故障や修繕はオーナー負担
賃貸にする場合の損益分岐点
賃貸を検討する場合は、リフォーム費用を何年で回収できるかが重要です。
例えば次のケースを考えてみます。
- リフォーム費用:200万円
- 家賃:月8万円
この場合、回収には約2年かかります。
しかし、親が高齢で「あと何年施設にいるか分からない」場合、回収前に相続が発生し、結局売却することになる可能性もあります。
その場合、リフォーム費用が無駄になることもあります。
基本的には売却が安全な選択
不動産投資の経験がない場合、築年数の古い実家を賃貸経営するのはリスクが高いケースも多いです。
「どうしても家を残したい」という希望がない限り、
売却して現金化し、介護費用に充てる
という方法が、経済的にも現実的であり、子ども世代の負担も少ない選択と言えるでしょう。
※本記事の内容は、執筆時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案についての法律・税務・登記のアドバイスを提供するものではありません。実際の手続きや判断にあたっては、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

