相続した空き家を売却して利益が出た場合、一定の条件を満たせば3,000万円特別控除を使える可能性があります。
この特例を利用できれば、譲渡所得にかかる税金を大きく抑えられるため、空き家売却では非常に重要な制度です。
しかし、この特例を受けるためには、確定申告で必ず添付しなければならない書類があります。
それが
被相続人居住用家屋等確認書
です。
名前が長くて難しそうに見えますが、この書類がなければ空き家の3,000万円特別控除は受けられません。しかも、税務署では発行してもらえないため、取得先を間違える人も少なくありません。
この記事では、被相続人居住用家屋等確認書とは何か、どこでもらうのか、必要書類や申請時の注意点までわかりやすく解説します。
被相続人居住用家屋等確認書とは
被相続人居住用家屋等確認書とは、空き家の3,000万円特別控除を受けるために必要な確認書類です。
正式には、相続した空き家が特例の対象になることを自治体が確認し、発行する書類です。
この書類を確定申告の際に提出することで、
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除
の適用を受けることができます。
つまり、相続した空き家を売却して節税したい場合、この書類はほぼ必須と考えてよい重要書類です。
被相続人居住用家屋等確認書はどこでもらう?
この書類について最も多い勘違いが、税務署に行けばもらえると思ってしまうことです。
しかし、被相続人居住用家屋等確認書の発行元は税務署ではありません。
発行するのは
空き家が所在する自治体の市区町村役場
です。
具体的には、自治体によって担当部署が異なりますが、次のような窓口が多くなります。
- 建築指導課
- 空き家対策課
- 住宅政策課
- 税務関連窓口
そのため、確定申告をする税務署に行っても発行してもらえません。
必ず物件所在地の役所に申請する必要があります。
被相続人居住用家屋等確認書の必要書類
申請時に必要となる書類は自治体によって多少異なりますが、一般的には次のような書類を求められます。
申請書
自治体所定の申請書です。
多くの場合、自治体のホームページからダウンロードできます。
売買契約書の写し
空き家を実際に売却したことを証明するために必要です。
- 売却日
- 売却金額
- 買主情報
などを確認するために使われます。
戸籍謄本・除籍謄本
亡くなった親などの被相続人と、自分が相続人であることを証明するための書類です。
住民票の除票
被相続人が亡くなる直前までその家に住んでいたことを確認するために必要です。
一人暮らしだったことの確認資料として使われることもあります。
空き家だったことを証明する書類
ここが非常に重要です。
被相続人居住用家屋等確認書では、その家が相続後に空き家だったことを示す必要があります。
そのため、次のような資料の提出を求められることがあります。
- 電気・ガス・水道の閉栓証明書
- 使用中止日がわかる書類
- 売却時の現況写真
- 家財道具が撤去された状態の写真
自治体によって細かい指定があるため、事前確認が重要です。
被相続人居住用家屋等確認書の取得で注意すべきこと
税務署では発行されない
最も多いミスは、申告先の税務署で取得できると思い込むことです。
この書類は市役所・区役所・町村役場で発行される書類であり、税務署では対応していません。
発行まで時間がかかる
被相続人居住用家屋等確認書は、その場ですぐ発行されるとは限りません。
自治体によって異なりますが、申請から発行まで
1週間〜2週間程度
かかることがあります。
また、提出書類に不備があるとさらに時間がかかります。
そのため、確定申告の期限直前になって慌てて申請すると間に合わない可能性があります。
売却後は早めに申請する
空き家の売却や解体が終わったら、できるだけ早めに自治体へ相談し、確認書の申請準備を始めることが大切です。
特に毎年の確定申告期限が近づく時期は、自治体窓口も混みやすくなります。
余裕を持って進めることが、スムーズな節税につながります。
まとめ
被相続人居住用家屋等確認書は、相続した空き家を売却した際に3,000万円特別控除を受けるための必須書類です。
この書類は税務署ではなく、空き家所在地の市区町村役場で発行してもらう必要があります。
また、申請には
- 申請書
- 売買契約書
- 戸籍謄本
- 住民票の除票
- 空き家だったことを証明する資料
などが必要になり、発行まで時間がかかることもあります。
空き家売却で節税を確実に進めるためには、売却後すぐに自治体へ相談し、早めに被相続人居住用家屋等確認書を取得しておくことが重要です。
※本記事の内容は、執筆時点の法令や情報に基づく一般的な解説です。個別の事案についての法律・税務・登記の判断を行うものではありません。実際の手続きや判断については、弁護士・司法書士・税理士などの専門家へご相談ください。

