遠距離介護と実家管理の二重苦
親が介護状態になり、実家で一人暮らしをしている、あるいは施設に入った。
遠方に住む子どもにとって、
親のケア(介護)と家のケア(管理)が同時にのしかかる
という問題は非常に深刻です。
これを「遠距離介護と実家管理の二重苦」と呼ぶこともあります。
この状況でよくある間違いが、介護の専門職であるケアマネジャー(ケアマネ)に、家の管理まで頼んでしまうことです。
ケアマネは家の管理者ではない
ケアマネジャーやヘルパーの役割は、あくまで利用者本人の生活支援です。
介護保険制度では、できることとできないことが明確に決められています。
できること
- 本人の部屋の掃除
- 買い物の代行
- 安否確認
できないこと(介護保険の対象外)
- 庭の草むしり
- 使っていない部屋(2階など)の掃除
- 家全体の換気
- ペットの世話
- 家具の移動や大掃除
- 空き家になった後の巡回
「ついでに窓を開けておいてください」
「郵便を見ておいてください」
と頼んでしまうケースもありますが、これは制度上の業務範囲を超えていることになります。
善意に頼る形になり、現場の負担にもなってしまいます。
親が施設に入ると家に人が来なくなる
在宅介護の間は、ヘルパーやケアマネが出入りするため、家の異変に気づく可能性があります。
例えば、
- 雨漏り
- 異臭
- 設備の故障
などです。
しかし、親が施設に入った瞬間、実家に出入りする人がいなくなります。
この状態になると、
- 家の劣化
- 防犯リスク
- 近隣トラブル
が一気に高まります。
役割分担を明確にすることが重要
問題を防ぐためには、役割をはっきり分けることが大切です。
- 親の生活・介護:ケアマネジャーや施設
- 家の管理:空き家管理サービスや不動産会社
この分担が曖昧になると、どちらにも負担が集中してしまいます。
介護費用がかかる時期ではありますが、
月数千円程度の空き家管理サービス
を利用することで、家の状態を維持することができます。
また、ケアマネジャーとの良好な関係を保つことにもつながります。
プロを使い分けることが大切
遠距離からすべてを自分で管理しようとすると、大きな負担になります。
しかし、
「家の管理は業者に任せています」
と伝えられる体制があれば、ケアマネジャーにとっても安心材料になります。
結果として、親の介護に集中できる環境が整います。
プロを上手に使い分けることが、現代の遠距離介護ではとても重要です。
※本記事の内容は、執筆時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案についての法律・税務・登記のアドバイスを提供するものではありません。実際の手続きや判断にあたっては、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

