「久しぶりに実家に行ったら、玄関を開けた瞬間、下水のような強烈な臭いがした」
「家の中に小さなハエ(チョウバエ)がたくさん飛んでいる」
これらはすべて、長期間水道を使わなかったことが原因で起こるトラブルです。
空き家管理において重要な作業の一つである「通水(つうすい)」について、その仕組みと正しい方法を解説します。
臭いの原因は「封水(ふうすい)」の蒸発
キッチン、洗面台、お風呂、トイレの排水口の下には、S字やU字に曲がったパイプがあります。
この部分には常に水が溜まるようになっており、これを「封水(排水トラップ)」と呼びます。
この水は、
- 下水管から上がってくる悪臭
- 害虫(チョウバエなど)
- ネズミ
を防ぐ「フタ」の役割を果たしています。
しかし空き家で長期間水を使わないと、
- 夏:約1ヶ月
- 冬:約2ヶ月
ほどでこの水が蒸発してしまいます。
これを「封水切れ」と呼びます。
封水がなくなると、下水の臭いや虫が室内に入りやすくなります。
正しい通水作業の手順
封水を維持するためには、定期的に水を流すことが必要です。
- すべての蛇口を開ける
キッチン、洗面所、お風呂、洗濯機置き場など、すべての蛇口から水を流します。 - 1分以上水を流す
チョロチョロではなく、通常使用する水量で1〜2分ほど流し、配管内の古い水を入れ替えます。 - トイレも流す
トイレのレバーを回して1回しっかり流します。 - 換気を行う
水を流している間は湿気が発生するため、窓を開けるか換気扇を回します。
行けない時の対策「蒸発防止剤」
「毎月空き家に行くのは難しい」という場合は、ホームセンターやネット通販で販売されている排水トラップ用の蒸発防止剤を活用する方法もあります。
排水口に注ぐことで、水面に油膜のような層を作り、水分の蒸発を抑えてくれます。
商品によっては3ヶ月〜半年程度効果が持続するものもあります。
水は流さないと配管も傷む
水道管の中に溜まった水は、長期間動かさないと腐敗し、配管の劣化や赤サビの原因になることがあります。
「水道代がもったいない」と感じるかもしれませんが、配管交換の費用と比べれば小さなコストです。
空き家の健康を守るためにも、定期的に新しい水を流しておくことが大切です。
※本記事の内容は執筆時点の法令・情報に基づく一般的な解説です。個別の事案に対する法律・税務・登記のアドバイスを提供するものではありません。実際の判断や手続きについては、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

