「実家を相続したけれど、とりあえずそのままにしておこう」

そう考える方の多くが、後になって「こんなにお金がかかるなんて知らなかった」と後悔します。

誰も住んでいない家でも、所有しているだけで税金や維持費がかかり続けます。

ここでは、一般的な木造一戸建て(地方都市・延床面積30坪程度)を例に、年間どれくらいの維持費がかかるのかリアルな数字でシミュレーションしてみましょう。

逃れられない「固定費」

まず、何もしていなくても必ず発生する費用です。

  • 固定資産税・都市計画税
    地域や評価額によりますが、年間10万円〜15万円程度が一般的です。
    ※「管理不全空家」に指定されると、税額が6倍(60万円〜90万円)に跳ね上がる可能性があります。
  • 火災保険料(地震保険含む)
    空き家は「一般物件」扱いとなり保険料が高くなる傾向があります。年間5万円〜10万円程度。
  • 水道光熱費(基本料金)
    管理のために電気・水道を契約している場合、基本料金だけで月2,000円〜3,000円程度。年間で約3万円になります。

家を守るための「変動費(メンテナンス費)」

次に、家を傷ませないため、また近隣トラブルを防ぐための費用です。

  • 草刈り・剪定費用
    業者に依頼する場合、年2回で5万円〜10万円程度。
  • 修繕費の積立
    雨漏り、台風による屋根の破損、シロアリ対策(5年に1回)などを考えると、年間10万円程度は見込んでおく必要があります。
  • 交通費(自分で管理する場合)
    実家まで往復5,000円 × 年6回 = 約3万円

年間30万〜50万円の「赤字」になることも

これらを合計すると、空き家の維持には年間33万円〜50万円程度の現金が出ていく計算になります。

10年間保有すれば、300万円〜500万円の出費になる可能性もあります。

保有し続ける目的を考える

このコストを払ってでも、

  • 将来住む予定がある
  • 土地として価値が上がる可能性がある
  • 家族の拠点として残したい

といった理由があるのか、一度冷静に考える必要があります。

もし「なんとなく」所有しているだけなのであれば、

  • 早めに売却する
  • 賃貸に出して収益化する

といった方法で、維持費を相殺する道を検討することも重要です。


※本記事の内容は執筆時点の法令・情報に基づく一般的な解説です。個別の事案に対する法律・税務・登記のアドバイスを提供するものではありません。実際の判断や手続きについては、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

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