近所の子供たちが「探検ごっこ」と称して、空き家の敷地内に入り込んでいるのを見たことはありませんか?
もし、彼らが敷地内で転んで怪我をしたり、割れた窓ガラスで手を切ったりした場合、所有者であるあなたに責任はあるのでしょうか?
「勝手に入ったほうが悪い(不法侵入だ)」と言いたくなりますが、法律の世界ではそう簡単に割り切れません。
不法侵入でも「所有者責任」が問われる可能性
土地や建物には「工作物責任(民法717条)」という考え方があります。
これは、建物などに「瑕疵(欠陥)」があった場合、所有者が被害者に対して賠償責任を負う可能性があるというものです。
ここで重要なのは、被害者が不法侵入者(子供を含む)であっても責任が問われる場合があるという点です。
例えば、次のような状況です。
- 誰でも簡単に敷地内に入れる状態だった
- 割れたガラスなど危険物が放置されていた
このような場合、建物や敷地が「通常備えるべき安全性」を欠いていたと判断され、所有者の管理責任(過失)が認定される可能性があります。
特に「子供」の場合は注意が必要
被害者が判断能力の低い子供である場合、裁判所は所有者に対してより厳しい判断を下す傾向があります。
これは、「子供は好奇心で入り込む可能性がある」という前提で、大人側に危険を取り除く義務があると考えられるためです。
リスクを下げるための対策
万が一の事故を防ぎ、法的責任を回避するために、次のような管理を行っておくことが重要です。
- 割れたガラスはすぐ撤去・修繕する
ガラスが散乱している状態は非常に危険です。 - 侵入を防ぐ(門扉を閉める・施錠する)
「簡単には入れない状態」を作ることが重要です。 - 警告看板を設置する
「立入禁止」「危険」などの看板を掲示し、警告していた事実を残します。
「子供が勝手に入ったから自業自得」で済むとは限りません。
危険な箇所は放置せず、ベニヤ板で窓を塞ぐなどの応急処置だけでも行っておきましょう。
※本記事の内容は執筆時点の法令・情報に基づく一般的な解説です。個別の事案についての法律・税務・登記のアドバイスを提供するものではありません。実際の判断や手続きについては、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

