「誰も住んでいないのに基本料金を払い続けるのはもったいない」
空き家になった直後、節約のために電気・水道・ガスをすべて解約してしまう方がいます。
しかし実は、それが原因で
- カビだらけになる
- 害虫が発生する
- 建物が急速に傷む
といった問題につながることがあります。
空き家管理の観点では、ライフラインはすべて止めればよいわけではありません。
この記事では、空き家管理のプロの視点から
解約してよいライフラインと残すべきライフラインを解説します。
電気は残すべきライフライン
結論:電気は契約を残すのがおすすめです。
理由は、空き家の管理や建物の劣化防止に電気が必要になるからです。
例えば次のような用途があります。
換気設備の稼働
比較的新しい住宅では、24時間換気システムが設置されている場合があります。
換気扇を動かしておくことで
- 湿気の蓄積
- カビの発生
- 建材の劣化
を防ぐことができます。
管理・点検作業
空き家の管理では
- 掃除機の使用
- 電動工具の利用
- 草刈り機の使用
などで電気が必要になります。
浄化槽のポンプ
浄化槽を使用している住宅では、ポンプが電気で動いています。
電源を切ると浄化槽内のバクテリアが死滅し、悪臭やトラブルの原因になることがあります。
電気代を安くする方法
空き家の場合、電気をほとんど使わないため、節約も可能です。
おすすめの方法は
- ブレーカーを落とす
- 契約アンペアを下げる
ことです。
契約アンペアを
10A〜20A程度
まで下げれば、基本料金は月数百円程度で維持できる場合もあります。
水道も残すことをおすすめ
結論:水道も基本的には契約継続が望ましいです。
理由は、排水設備のトラブルを防ぐためです。
封水切れを防ぐため
長期間水を使わないと、排水トラップに溜まっている水(封水)が蒸発します。
封水がなくなると
- 下水の臭いが上がる
- ゴキブリが侵入する
- ネズミが侵入する
といった問題が起こる可能性があります。
そのため、定期的に水を流す「通水」が必要です。
掃除や庭管理にも必要
空き家管理では
- 雑巾がけ
- 外壁洗浄
- 庭の水やり
などで水道を使う機会もあります。
水道料金を抑える方法
自治体によっては「使用休止」という制度があります。
ただし
- 再開手数料がかかる
- すぐ使えない
場合もあるため、管理のためには契約を残しておく方が安心です。
ガスは解約して問題なし
結論:ガスは解約して問題ありません。
空き家管理でガスを使うことはほとんどないためです。
また、長期間使用しない場合は
- ガス漏れ
- 設備劣化
などのリスクもあります。
そのため
ガスは閉栓(解約)して基本料金をカットする
ことをおすすめします。
空き家管理に必要な最低コスト
空き家を適切に維持するためには、ある程度のコストが必要です。
電気と水道を維持した場合でも、目安として
月額2,000円〜3,000円程度
で済むケースが多いです。
この費用を節約しようとしてライフラインを完全に止めてしまうと
- カビだらけになる
- 害虫が発生する
- 修繕費が高額になる
といった結果につながる可能性があります。
まとめ
空き家のライフラインは、すべて解約すればよいわけではありません。
管理の観点では次のように考えるのが一般的です。
電気:契約継続(アンペア数を下げる)
水道:契約継続(定期的な通水が必要)
ガス:解約で問題なし
電気と水道は、空き家の状態を保つための重要な設備です。
月数千円の維持費で、建物の寿命を延ばし大きな修繕費を防ぐことができると考えれば、空き家管理の必要経費といえるでしょう。
※本記事の内容は、執筆時点の法令や情報に基づく一般的な解説です。個別の事案についての法律・税務・登記の判断を行うものではありません。実際の手続きや判断については、弁護士・司法書士・税理士などの専門家へご相談ください。

