「役所から特定空家になる可能性があると言われた」「実家が古いが、どこまで危険だと判断されるのか分からない」。
空き家所有者にとって、「特定空家」という言葉は非常に大きな不安要素です。

特定空家に認定されると、固定資産税の優遇措置が解除されるだけでなく、行政による指導や命令、最終的には強制解体などの厳しい措置が取られる可能性があります。

しかし、どのような状態が特定空家と判断されるのかを正しく理解している人は多くありません。ここでは、国が定める特定空家の基準と、認定を避けるための対策について解説します。


特定空家とは何か

特定空家とは、空家等対策特別措置法に基づき、放置すると安全や生活環境に重大な影響を与える可能性があると自治体が判断した空き家のことです。

特定空家に指定され、自治体から勧告を受けた場合には、次のようなリスクがあります。

まず、住宅用地の特例が解除され、固定資産税が大幅に増える可能性があります。
さらに、改善命令に従わない場合は最大50万円以下の過料が科される場合もあります。

それでも改善されない場合には、行政代執行として自治体が建物を強制的に解体し、その費用を所有者へ請求する可能性があります。


特定空家に指定される4つの基準

国土交通省のガイドラインでは、次の4つの状態のいずれかに該当すると、特定空家に認定される可能性があります。

倒壊など保安上危険となるおそれ

最も代表的な基準が、建物の安全性に関する問題です。

例えば屋根が変形している、柱が傾いている、基礎部分に大きなひび割れがあるなど、建物が倒壊する危険がある場合です。

また、瓦や外壁が剥がれ落ちそうになっている場合や、看板などが落下する可能性がある状態も危険と判断されることがあります。

擁壁が崩れかけている場合なども対象になる可能性があります。

衛生上有害となるおそれ

空き家の放置によって衛生問題が発生している場合も特定空家の対象となります。

例えば敷地内にゴミが大量に放置され悪臭が発生している場合や、ネズミやハエなどの害虫が大量発生しているケースです。

また建材に含まれるアスベストが露出して飛散する恐れがある場合なども問題になります。

景観を著しく損なっている状態

地域の景観を大きく損なっている場合も対象となります。

窓ガラスが割れたまま放置されている、外壁が大きく劣化している、建物全体がツタに覆われているなど、見た目の荒廃が著しい場合です。

景観保全のルールが定められている地域では、その基準に著しく違反している場合も該当する可能性があります。

周辺の生活環境に悪影響を与えている

周辺住民の生活環境を損なっている場合も特定空家の対象となります。

例えば庭木や雑草が大きく伸びて道路にはみ出し通行の妨げになっている場合や、野良猫などの動物が住みついて騒音や糞尿の問題が発生しているケースです。

門扉が壊れて誰でも敷地に侵入できる状態など、防犯上の問題がある場合も該当する可能性があります。


特定空家の指定を回避する方法

特定空家への指定は突然行われるものではなく、多くの場合は自治体からの調査や指導が先に行われます。

そのため、早い段階で対応することで指定を回避することが可能です。

まず重要なのは、空き家を定期的に管理している状態を維持することです。草刈りや清掃、簡単な修繕などを行い、建物や敷地を適切な状態に保つことが大切です。

もし行政から指摘を受けた場合は、指摘された部分を修繕し、その改善内容を自治体へ報告することで指定が解除される場合もあります。

例えば割れた窓ガラスを修理する、はみ出した枝を剪定するなど、比較的小さな改善で対応できるケースも多くあります。


まとめ

特定空家に指定されると、固定資産税の増額や行政代執行など、大きなリスクが発生します。しかし、多くの場合は建物の管理不足が原因であり、日常的な管理を行うことで防ぐことが可能です。

窓ガラスの破損や雑草の放置といった小さな問題でも、長期間放置すると大きなトラブルにつながる可能性があります。

遠方に住んでいて管理が難しい場合は、空き家管理サービスなどを利用し、定期的な点検や管理を行うことが重要です。早めに対策を取ることで、大切な資産を守ることにつながります。


※本記事の内容は、執筆時点の法令や情報に基づく一般的な解説です。個別の事案についての法律・税務・登記の判断を行うものではありません。実際の手続きや判断については、弁護士・司法書士・税理士などの専門家へご相談ください。

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